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 もう2月くらい前に見た映画ですが…。

 エイリアンと同居する人類、というわけで、そのへんがファニーに宣伝された本作ですが、実際はけっこうリアルにエグい映画であり、なかなか考えさせられます。

 (総評)
 デザイン、脚本、演出、どれを見てもよく作りこまれていると感じた。エイリアンは最強の存在で地球を縦横無人に破壊しつくす、という固定されつつある概念を破ったあたりや、ドキュメンタリーチックに進む本編には引き込まれる。一体このあとどうなるんだ、と序盤からわくわく感を高めてくれる。そして単なるバカB級映画に終わらず、民族問題や人権問題など、人類が抱えるディープな問題にも示唆を与えている。
 デザインにおいても、気持ち悪さを持ちつつも、最終的には感情が移入できなくもない…というような絶妙な仕上がり。考えさせられる内容と、奇抜なアイデアが織り交ざっており、ヒットしたのも十分うなずける出来だ。

 (荒いあらすじ)
 アフリカ上空に現れた飛行船の中にいたのが、衰弱しきったエイリアン(のちに、その容姿からエビと呼ばれる)の集団だった。エビたちはアメリカの第9隔離地区に住むことが決まるも、周辺の人間とのトラブルは日々拡大しつつあった。超国家機関MNUは、エビたちをさらに離れた第10地区に移住させることを決定。
 その立ち退き勧告の陣頭指揮にあたった若きエリートのヴィカス。エビの人権を(形式上)守りつつ、順調に進んでいた勧告だったが、その途中不可解な液体を顔に浴びたことで、彼の体に変化が訪れる…。

 (詳しく)
 バカげた設定とは裏腹に、非常によく練られた作品。バカげた設定も新鮮さを与えているので、まさに死角なしといえる映画。不可解な生物と暮らしていくということに違和感を感じない者はいない。乱暴で好戦的な習性や、気持ち悪いその外観から多くの観客はエビを敵視する。
 ところが、ヴィカスがエビ化をはじめたことで、一人のエビ科学者と出会ったあたりからその評価が変わりだす。MNUの人間や、現地の狂ったマフィアなど人間の愚かさが如実に描かれだす。
 前半と後半で、エビと人間それぞれの善悪を浮き彫りにしていく。そして最後は、「今のところ」誰も救われないという終わり方だ。なかなか考えさせる展開。

 映像も結構派手でドンパチがあるので飽きない。ドキュメンタリー風なはじまりもよい感じ。ただ、けっこうにグロいシーン(絵的にも、精神的にも)があるので、個人的に2回目は受け付けないかなぁ、と。
 近年のVFXや話題性だけでのヒットではなく、しっかりとした出来栄えが好印象。まだの方はぜひ!
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ロックマン、遊戯王、勇者シリーズ、はたまた政治なんかも時々取り上げる自分日記。行きついちゃった人は、記事検索してくれると思いのほか良い情報が手に入ることが…いや、ほとんどないはずです。
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