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 男たちは己の悲運より、友のために涙を流した。


 泣いた。
 ことばだけではなく、文字通り涙が流れた。こんな作品、反則だ。


 Final Fantasy Ⅶのその前の物語を描く今作。主人公は、本編では回想でしか登場しなかったザックス。こんな脇役の脇役(無論非常に重要なポジションには位置しているが)が主人公でも80万本売るとは、ロックマンファンとしてこの贅沢はうらやましいなぁと思う。
 多くのコンピレーショん作品(映画などのスピンオフも含めて)は、どことなく満足度の低い作品になりがちだが、今作は決してそんなことなく、本当に一つの英雄譚として満喫することができた。

 ゲームシステムはRPG。モンスターハンターに近い操作性。アクションは難易度低めで、雑魚戦はボタン連だの単調なものになりがちだが、背後をとることでクリティカルになったりと自分次第で戦い方を変えて楽しむことは十分可能。DMWというスロット機能が搭載されており、戦闘中はスロットが自動で回る。リーチ画面になるとカットインが始まり、そろった絵柄や数字に応じて、リミット技や、マテリアやザックスのレベルアップが決定されるという面白いシステム。窮地になってリミット技が発動したりした時は爽快感MAX。
 難易度は低めで、シナリオをクリアするのみなら初心者でも安心して挑めるレベル。ちなみにミッションという突き詰めると鬼難しいのもあるが、こちらはストーリーには大きくかかわってこないので安心。
 物語を進めると昔のマップに行けないのは少し物足りない部分はあるものの、終盤以降はストーリーとしてもその意味が大きくなってくるので納得。彼には帰る場所がたくさんあったはずなのに、ある日突然それが奪われてしまうのだから。


 さて、いよいよ核心に迫る感動の感想を描いていきたいと思うので、この先はネタばれ注意です。
 この物語のキャッチコピー「男たちは己の悲運より、友のために涙を流した」は、本当にこの作品そのものを描いている。
 ザックスが実にその象徴で、どんな苦境でもあきらめず、夢を持ち、ソルジャーの誇りを捨てず全身し続ける。万人が好きになれるまさに主人公。しかし彼を襲う悲劇の連続には心を痛めずにはいられない。信頼していた先輩アンジールに降りかかっていた悲劇、そしてそれを集結させるために己が手で彼に剣を振うこととなる。このアンジールがまたいい男で、ザックスの師匠たるさすがの人物。
 セフィロスが実はとてもいい人で、でもアンジールのような強さは持ち得なかったというのがFFの核。アンジールは自身がプロジェクトGの結果生み出された怪物であり、劣化により自分の生命の終りが近づいていることを悟るも、愛でるべき後輩ザックスの言葉に、勇敢な人間としてその生涯を終えることとなる。自分の運命を受け入れ、その中で夢を、誇りを捨てなかった。
 一方でセフィロスは、アンジール同様悲しい過去を持ち、自身の過去を誤解し(事実を知っていても同じ結果になり得たかもしれないが)狂気に陥り、過去の占有も無関係の村も破壊し、果てには星そのものも破壊せんとする。セフィロスにアンジールのような精神的強さがあれば、それ以上に心を許せ、救ってくれる友人がいたとしたら、(アンジールがその時生きていれば)結果は変わっていたかもしれないと思う。
 ラスボスであるジェネシスは意外と空気だったりして何ともコメントしにくいのだが、ガクトヴォイスが意外とよかったこと、それからその自己中心ブリには敬意を表さねばなるまい。

 さて、エアリスについても。
 不思議少女に変りはないのだが、この作品で俺は確実にエアリスにも心が動いた(FFⅦ本編ではティファ派)。というのも、これはクラウド、ザックスどちらが好きかに左右される問題だと思う。クラウドが好きならば、彼に献身し時に叱咤するティファに心が動くし、今作、ザックスが好きになれば彼の生きる原動力であり、支えであるエアリスに心が動くであろう。
 古代種としてツォンに幼少期から監視されていたという彼女が初めて恋した相手がザックスだった。知らない世界を恐れるのか、空を怖がり、しかしザックスと一緒に見に行くと決意する。おそらく、それは「ささやかなニジュウサンの約束」の一つだったはずだが、残念ながら果たされることはなかった。
 「もう一度会う」
 その簡単なはずな約束は、ザックスがニブルヘイムにいったその日、そして電話で話したその日を最後に守られることはなく、彼女が出した89通の手紙は、最後の1通だけ読まれるも、おそらく彼女はその事実を知らぬままだったはずだ。ツォンから真相を聞いたのかどうかは定かではないが、その後ミッドガルのプレートで花を売るその姿に、感動を覚えざるを得ない。
 その後出会ったクラウドはザックスを完全に忘却しており、ザックスがエアリスを思い続けていたことなどは、その生涯を閉じるまで遂に知ることはないと思うと、よけいに悲しくなってきて、そしてACで二人一緒なのを見ると感動で前が見えなくなってしまうだろう。

 親友を全て亡くし、それでもなおその存在は無くさず、ひたすら前に進み、自由と約束を求めた男ザックス。その最後はあまりにも悲しく、このはかない人生に「なぜ?」と疑問を投げかける以外にどうしようもない。主人公の死がEDという事実は知っていたはずなのに、彼の生涯を振り返ると涙が止まらなくなる。
 「お前が、俺の生きた証だ」
 彼に手渡すは親友から譲り受けた夢と誇り。あまりにも重いその剣を引きずるように歩くクラウドの戦いは、ここから始まったのである。

 テーマソングは、あっていないという声もありますが、僕はありだと思います。『eyes on me』程ではないけどね。「Why?」はまさにこの悲劇、ザックスへの悲運や人生への疑問であると思うし、その歌詞は、ザックスを忘れたクラウドへのそして振り返るザックスへのエアリスの思いが表れているんじゃないかな、って。この歌詞が描く人物はまさにクラウドだと思う。で、おおさびの前でフラッと出てくるのは、クラウドを見てて思い溢れるザックスのことだと思います。


 さて、On the way to a smileも読み、すべての土俵は揃いました。
 すべての物語を、その感動を胸に、今一度Advent Childrenを視聴します。
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ロックマン、遊戯王、勇者シリーズ、はたまた政治なんかも時々取り上げる自分日記。行きついちゃった人は、記事検索してくれると思いのほか良い情報が手に入ることが…いや、ほとんどないはずです。
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