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上半期を振り返ると、終盤の失速がひどかった。
映画をほとんど見ないまま、1~2カ月くらい過ぎていて、原因はおそらく、「微妙な」作品が多くて無意識になえていたのかもしれない。さてでは、今年上半期の映画を振り返って参りましょう。

●崖の上のポニョ
 ポニョは魚の子だった。まんまるおなかの女の子だった。それが、そんな彼女が…こんなことになるなんて…!いや、別にどうということはないですけども。
 作画は一級品です。無声映画のほうが良いんじゃないかってくらい一級品。皮肉だね!所ジョージは、アルフやバズだと雰囲気が出て最高なのに、この映画だとまるで良さがなかった。キャストミスだろうね。

●理想の恋人.com
 就職活動で乾いた私の心に潤いをくれました。良い年こいて恋に臆病な二人の不器用な物語。好きですよ、こういうアメリカンライフ臭が強烈に漂ってくる映画。別に見どころは無いんですが、風景のひとつひとつが良い感じですね。

●ヘラクレス
 ディズニー・ルネッサンスの終局点といわれる今作だが、決してそんなことは無い。リトルマーメイド、アラジンを手がけてきたスタッフの総力がここにあると、私は思います。ダイナミックな作画に耳に残る名曲の数々。ギリシャ神話とゴスペルを融合させるという荒業を、何の違和感もなくむしろ心地よくまとめてしまうスタッフの力量に感服。また、日本に持ち込む際に声優に妥協しない点でディズニーは素晴らしい。

●リロ&スティッチ
 新世代ディズニーを飾るにふさわしい作品。家族の溝とか、異世界の化け物とか、現代の闇を描きつつも、全体的に明るいテイストに仕上げている。最後の大円団はディズニーそのもの。エルヴィスの名曲とハワイの雰囲気の調和が素晴らしい一作。

●遠い空の向こうに
 夢を追いかける炭鉱町の少年の半生記を描いたノンフィクション映画。青春って素晴らしい。夢を追うって素晴らしい。あきらめかけたその時に見たい映画。新日鉄のお兄さんありがとう。

●ターザン
 エンディングだけがいまいち。他は良い。ヘラクレスとスティッチが良すぎたので若干陰にいってしまったが、作画、音楽、構成どれをとっても良作であると思います。

●バーンアフターリーディング
 アメリカ文化や、語学を学べばおそらく倍は楽しめるはず。問題は配給会社のやりかた。決してコメディではないし、JクルーニーとBピットが出ているからってかっこ良い映画でもない。100円のどうしてもヒマな時に借りたほうが良い。悪くは無いし、脚本も丁寧に練りこんであってすごいんだけど、日本人のテイストとは少し離れているという印象。

●リトルマーメイド
 ディズニールネッサンスの開拓作品。ミュージカルアニメ映画でディズニーが開花したきっかけ。お話は既にある程度知っていたのでなんもないです。すずきまゆみさんの歌声が素晴らしいです。音楽も、アラン・メンケンらしさがどっさりで、耳に残るものがたくさんあります。

●名探偵コナン 天空の難破船
 期待しないで見に行ったら意外と面白かった今作。トリックとかミステリーはいったん捨てて、とにかくアクションに専念しようぜ!というような意気込みが感じられ、非常に好感を持てます。キッドとのやり取りは、過去作からの引っ張りがあったりでファンにもうれしい仕様。小五郎を眠らせとくというのも旧来のファンにとってはありがたい演出でしたね。もう少しなれる時間がほしいから。
 とくに突っ込みどころもなく(というか内容そのものは深くないから)、EDのOVER DRIVEも名曲なので、じっくり感動できること間違いなしです。

●トレジャープラネット
 山ちゃん演じるロボットが予告で輝いていたので視聴。うーん、少し地味かなぁ。相変わらず手堅くまとめてきているんですが、凡作といったところ。この当時のディズニーが苦しんでいるのが垣間見えます。お母さんが美人なのが見どころ。

●ボディガード
 いやいや、これは良いよねぇ。何が良いって、しっかりハッピーエンドだから。「女ってやつは…」そう思うシリーズに見事登録されました。ケビンコスナーのような寡黙で強い男になりたいと思ってしまいますね。

●地球が静止する日
 駄作。何度でも言おう、駄作であると。VFXはなかなか、しかしなかなかどまり。残念ながらTFなどに及ばず。というか、脚本が駄目すぎてお金の無駄状態。なんかほとんど記憶にない…。

●チャーリーと14人のキッズ
 これもまた期待していなかったのに良かった一作。エディ・マーフィ演じる父ちゃんがどたばた託児所を運営するというおはなし。子供たちがしっかり生きていて、成長しているさまとか、本当に幸せなのって何だろうとか…まぁ難しいこと考えれば結構いけるし、そうでなくともぼけーっと見ているだけでニコニコしちゃう作品。お金かけなくても良い映画はできるよね。

●世界で一番パパが好き
 これは学芸会だった。なんっていうか、カメラワークとかライティングとか…。出ている人の演技は良いのに、それをスタッフのテクがぶち壊したって感じ。思い返せば脚本もいまいちだった。リブ・タイラーが良い。

●奇跡のシンフォニー
 まぁ…なんっていうのか、色々納得いかないことはあるけど、音楽が良いのでクライマックスはなんか感動した気分になる。しかし長い。無駄に時間を引き延ばした感じ。だれる。

●Big Fish
 奇跡のシンフォニーとたいして時間は変わらないはずなんですが、これは良かったですね、お父さんの話が、真実なのかほら吹きなのか。死を目前に、父が息子に告げる真実とは何なんでしょうか。
 幻想的で少し奇妙な映像の連続に飽きることは無いし、最後はしっかり感動をくれる、そんな良作です。ティム・バートンがこんな映画取れるんだって思った。

●The Day After Tomorrow
 ジェームス・キャメロンさん流石っす。結構ゾッとする映画。嘘か本当かはさておき、もっともらしい理論で映画が進むので結構引き込まれる。VFXもすごいね。ニューヨークを寒波が丸のみ。いろんな選択肢が映画の中にあるので、自分ならどうすっかな、とか考えてしまう。この手の映画って、自分がどう生きるかっていうのは結構大きいポイントだと思っていて、その点で個人的にはグッとくる映画作りをされていらっしゃる。
 ヒロインが可愛いよ。ちなみに主人公は遠い空の向こうに、に出ていた少年。「また会ったな!」っていう感じだった。

●死の標的
 若かりしセガールはよく罠にかかる!セガールが弱いので敵が強く見える。今になってみると、全然セガール映画っぽくない。

●300
 筋肉の躍動が半端ない。筋トレしたくなる。映像の処理も雰囲気を醸し出していて、かなり引き込まれます。ただなんか…あまり好みじゃなかったのか、もう一回見たいとは思わなかった。一回でおなかいっぱい。

●チャーリーとチョコレート工場
 これはティム・バートンの極致でしょう。ジョニーデップの狂った演技もすごい。オチがなかなか良かったので、結構満足いった映画ですね。ちなみに主人公の少年は奇跡のシンフォニー、に出ていた少年です。こういうの今回多いね。
 まぁ例のごとくもう一回見ようとは思いませんが…。

●テニスの王子様
 この時間なんか別のことに使ったほうがまし。

●クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国
 これはちょっといまいちかなぁ…。古い世代の人間からすると、しんちゃん映画って、
ヒロインは魅力的な人で、しんのすけを信頼して一緒に戦ってほしいっていうのを大事にしてほしいんですよね。多分、そんな路線を少しはずしてみようという意欲だったんでしょうが、結果的にやる必要はなかったかな、と。実験作なので評価は難しいけど。

●暴走特急
 セガール映画の名作なので言うことない。最後のナイフさばきだけでご飯3杯いける。GOGOセガール!!

●フライトプラン
 ジョディ・フォスターの狂った演技も残念、どんでん返しが悪方向に行ってしまうのは、脚本の粗さと演出の惜しさからか。彼女に感情移入できないってのは本作最大のミス。完全に「迷惑な女だな…」って乗客に感情移入しちゃうから、最後のオチを喜べないわけよ。難しいね。この点を完璧にクリアしてたら間違いなく名作だったんだけど、残念でした。

 
 というわけで…以上24作。結構な数ですね。
 何度残念を連呼したか。
 上半期は「狙っていない不作」が多かったですね…。だから後半失速したのかな…。その中でも、ノミネートするとしたら、
●ヘラクレス
●リロ&スティッチ
●チャーリーと14人のキッズ
●Big Fish
くらいでしょうか。

ラズベリー賞は
●テニスの王子様
●地球が静止する日
あたりが有力ですね。えぇ、もういまいちなのはいっぱいあるんですが、中でもこの2作は…!ヌヌヌ…

実は、トイストーリーもDVDを見たんですが、あまりの良さにBDを購入しましたので、もう一度そちらを見直してレビューしたいと思います。
下半期もガンバります。
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