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本当の正義、とは。

(総評)
アメコミヒーローと言えば、ムキムキマッチョメンの痛快物語を思い浮かべますが、この映画は別物。少なくとも、「痛快」とは程遠い位置にいます。ものすごく、「正義」というものについて考えさせられる映画。ラストのほうの対立軸はいつも通りなんですが、ロールシャッハという一人の男の行動が、この映画の最大のポイントです。

(粗いあらすじ)
その昔、法外な犯罪者を裁くための組織があった。その名、ミニッツメン。そしてその数年後、その意思を引き継ぎウォッチメンが組織された。今、1985年。ニクソン大統領による条約により、ウォッチメン…つまり、「正義のヒーローたち」はその活動を規制されてしまう。
監視者(ウォッチメン)を監視するのは誰だ―。
冷戦、核の脅威で揺れる世界。人々の欲望が渦巻く社会。
こんな世界で、「正義のヒーロー」は何をする…?

(細かく)
本作には数人のヒーローが登場するが、ヒーローとはいえ、登場人物は全て人間で「超人」ではない。各々の考えがあり、信念があり、「正義」がある。この映画が問うのは、正しい「正義」は何か?ということだ。
この答は、幾許も存在する。人の数だけあると言っても過言ではない。

それぞれのヒーローがそれぞれの正義を貫くこの映画。
最後の二人の生活は、実は我々そのものなんじゃないだろうか。主人公は親近感がわくものであるべし。そういう点では、ロールシャッハやコメディアン、オジマンなんとかさん、そしてDr.マンハッタンなど、己の信念を徹底的に貫いたもの(とりわけ、ロールシャッハ)は主人公ではない。
我々の多くは、たいていのことに目を閉じながら、日々を生きているのである。

だが、それがいつまで続くのだろうか。
「アメリカン・ドリームの末路がこれさ!」劇中でのセリフは、そのまま今の社会にも当てはまる気がしてならない。我々の「正義」は、何だろうか。非常に哲学的で、難しい映画(登場人物の名前や設定が覚えにくいという意味でも)で、ヒーローもの看板にふさわしくないくらいに強烈なメッセージ性を持っている映画。万人にお勧め出来るものではないが、挑戦する価値ある一本だと思う。

映像はさすが300の監督ということもあり、ストップモーションが強烈なインパクトを残す。また、音楽面でも当時のヒット曲をちりばめるなど、雰囲気作りに多大な貢献をしているという員賞。難しいテーマ、2時間半という大ボリュームを持っても書き尽くせていないかんじはするものの、映像と音楽の魅力も存分に引き出していることで、とても満足度は高く、時間中も飽きずに集中して見ることが出来る。素晴らしい品質の映画だった。

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ロックマン、遊戯王、勇者シリーズ、はたまた政治なんかも時々取り上げる自分日記。行きついちゃった人は、記事検索してくれると思いのほか良い情報が手に入ることが…いや、ほとんどないはずです。
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