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これで一生、本当の親友だ。
(総評)
これは昨年公開時に行きたかった映画の1つ。
残念ながら予定がつかず、トイ・ストーリー3をチョイスしたわけなんだが、あちらに負けずとも劣らず、いやむしろこちらのほうがメッセージ性が強い点では勝利を得ているといっても差し支えない出来だと感じる。
軒並み好評価を得ているというのが、まさに納得できる映画だった。
(粗いあらすじ)
ヒックは、バーク島にすむ少年。この島に住むバイキングたちは長きにわたってドラゴンと闘い続けており、ドラゴンと闘い、勝利を収めることこそが誇りであり、アイデンティティになっていた。
村の長であるストイックの息子であるヒックも当然、ドラゴンと闘いたくてうずうずしている。しかし、そんな彼のたくましいバイキング魂とはうらはらに、体はつまようじのように華奢。鍛冶屋で手伝いをする日々を送っていた。
屈強なバイキングたちだったが、そんな彼らでも恐れるドラゴンが存在する。ナイト・ヒューリー。暗闇に隠れて、超高速でターゲットを正確に破壊する最強のドラゴン。接触して生き残った者は存在しないという。しかし、ある夜。ヒックは自身の創った武器で、ナイト・ヒューリーと思しきドラゴンを撃墜する…。そして、ここから、ヒックたち人間と、ドラゴンの運命を動かす出来事が始まるのであった―。
(細かく)
さて、以下はネタバレ注意。
まず、グラフィックについては言うまでもないです。背景は実写レベルだし、キャラクターも「不気味の谷」に陥ることなく、それぞれ個性が際立っておりすぐに入ってくる。吹き替えでみたのだが、ヒックはかなり役に合っている感じだった。最近ではこんなハイレベルなCGがスタンダードになっており、改めて驚く。
映像の迫力はかなりあり、これは3Dで見たかったなぁ、と思います。
また、音楽も壮大で素晴らしかった。作曲家はジョン・パウエル氏。多くのハリウッド映画を手掛ける氏の、迫力たっぷりの音楽は物語を盛り上げ、自然とこちらをひきつけるパワーがありました。TRONといい、ウォッチメンといい、やはり良い映画は良い音楽に恵まれていますね。
そして、やはり特筆すべきはストーリー。異種との出会い、相互理解、共存、というよくある話である。ドラゴンを理解したヒックは逆に、バイキングのやり方に賛同しかねるようになる。当然、父親とも対立が生じるので、ここもお約束の「おやじ越え」展開が発生する。
つまり、あらすじは普通なんです。
しかし見ていて分かるのは、序盤の「なんてことない」出来事が、終盤でめちゃくちゃ生きてきたりする。伏線の張り方がお見事なんです。子供向けアニメは、大人が楽しめないとうまくいかないとは多く語られており私自身もそう思いますが、完璧な出来栄えです。ハリウッドのアニメーションムービーは、もはや日本の下らないアクション映画を余裕で超えています。
で。
最も驚いたのは、ラストでヒックが義足になること。これが実は、最大の伏線回収であり、この物語の「鍵」であり、他のハッピーエンドムービーには無い「売り」であると思う。
冒頭でヒックは、トゥースを撃ち落とすわけだが、トゥースはその際に尾びれを失ってしまう。それゆえ自力で飛ぶことは不可能で、ヒックを上にのせて尾びれ代わりの装備を操作してむらってしか飛ぶことが出来ない。その状態で物語は幸せな結末を得るわけだが、最後の最後。戦いの中でヒック自身も、足を失ってしまうわけだ。
「子供向けアニメでそんなのありか?!」と一瞬は思うが、この展開こそがこの映画が単に子供向けハッピーエンドムービーではない所以であると思いますし、ディズニーを敵視するドリーム・ワークスのやり方であり、スパイスなんだと。
人間はドラゴンを支配するわけではない。
この物語で、人間はドラゴンと共存していくようになったわけです。これまで、ヒックはトゥースを助け、また別の言い方をすれば操ってきたわけ。でもこれからは、ヒック自身もより身近なレベルでトゥースの助けを借りながら生きて行くことになる。2つの種族が同じスタートラインにたち、互いに支えあいながら「共存」していくという関係を、この二人に凝縮し、描きだしている。
「やっぱり手を助け合って生きて行くって大事だよね~」とへらへらして終わる映画ではなく、「共存」にあたっての覚悟や犠牲といった要素を、強烈に描き出していると言えると思います。
単純に泣ける映画ならば、トイ・ストーリーでしたが、より強いメッセージ性を持っているのはヒックとドラゴンですね。
(総評)
これは昨年公開時に行きたかった映画の1つ。
残念ながら予定がつかず、トイ・ストーリー3をチョイスしたわけなんだが、あちらに負けずとも劣らず、いやむしろこちらのほうがメッセージ性が強い点では勝利を得ているといっても差し支えない出来だと感じる。
軒並み好評価を得ているというのが、まさに納得できる映画だった。
(粗いあらすじ)
ヒックは、バーク島にすむ少年。この島に住むバイキングたちは長きにわたってドラゴンと闘い続けており、ドラゴンと闘い、勝利を収めることこそが誇りであり、アイデンティティになっていた。
村の長であるストイックの息子であるヒックも当然、ドラゴンと闘いたくてうずうずしている。しかし、そんな彼のたくましいバイキング魂とはうらはらに、体はつまようじのように華奢。鍛冶屋で手伝いをする日々を送っていた。
屈強なバイキングたちだったが、そんな彼らでも恐れるドラゴンが存在する。ナイト・ヒューリー。暗闇に隠れて、超高速でターゲットを正確に破壊する最強のドラゴン。接触して生き残った者は存在しないという。しかし、ある夜。ヒックは自身の創った武器で、ナイト・ヒューリーと思しきドラゴンを撃墜する…。そして、ここから、ヒックたち人間と、ドラゴンの運命を動かす出来事が始まるのであった―。
(細かく)
さて、以下はネタバレ注意。
まず、グラフィックについては言うまでもないです。背景は実写レベルだし、キャラクターも「不気味の谷」に陥ることなく、それぞれ個性が際立っておりすぐに入ってくる。吹き替えでみたのだが、ヒックはかなり役に合っている感じだった。最近ではこんなハイレベルなCGがスタンダードになっており、改めて驚く。
映像の迫力はかなりあり、これは3Dで見たかったなぁ、と思います。
また、音楽も壮大で素晴らしかった。作曲家はジョン・パウエル氏。多くのハリウッド映画を手掛ける氏の、迫力たっぷりの音楽は物語を盛り上げ、自然とこちらをひきつけるパワーがありました。TRONといい、ウォッチメンといい、やはり良い映画は良い音楽に恵まれていますね。
そして、やはり特筆すべきはストーリー。異種との出会い、相互理解、共存、というよくある話である。ドラゴンを理解したヒックは逆に、バイキングのやり方に賛同しかねるようになる。当然、父親とも対立が生じるので、ここもお約束の「おやじ越え」展開が発生する。
つまり、あらすじは普通なんです。
しかし見ていて分かるのは、序盤の「なんてことない」出来事が、終盤でめちゃくちゃ生きてきたりする。伏線の張り方がお見事なんです。子供向けアニメは、大人が楽しめないとうまくいかないとは多く語られており私自身もそう思いますが、完璧な出来栄えです。ハリウッドのアニメーションムービーは、もはや日本の下らないアクション映画を余裕で超えています。
で。
最も驚いたのは、ラストでヒックが義足になること。これが実は、最大の伏線回収であり、この物語の「鍵」であり、他のハッピーエンドムービーには無い「売り」であると思う。
冒頭でヒックは、トゥースを撃ち落とすわけだが、トゥースはその際に尾びれを失ってしまう。それゆえ自力で飛ぶことは不可能で、ヒックを上にのせて尾びれ代わりの装備を操作してむらってしか飛ぶことが出来ない。その状態で物語は幸せな結末を得るわけだが、最後の最後。戦いの中でヒック自身も、足を失ってしまうわけだ。
「子供向けアニメでそんなのありか?!」と一瞬は思うが、この展開こそがこの映画が単に子供向けハッピーエンドムービーではない所以であると思いますし、ディズニーを敵視するドリーム・ワークスのやり方であり、スパイスなんだと。
人間はドラゴンを支配するわけではない。
この物語で、人間はドラゴンと共存していくようになったわけです。これまで、ヒックはトゥースを助け、また別の言い方をすれば操ってきたわけ。でもこれからは、ヒック自身もより身近なレベルでトゥースの助けを借りながら生きて行くことになる。2つの種族が同じスタートラインにたち、互いに支えあいながら「共存」していくという関係を、この二人に凝縮し、描きだしている。
「やっぱり手を助け合って生きて行くって大事だよね~」とへらへらして終わる映画ではなく、「共存」にあたっての覚悟や犠牲といった要素を、強烈に描き出していると言えると思います。
単純に泣ける映画ならば、トイ・ストーリーでしたが、より強いメッセージ性を持っているのはヒックとドラゴンですね。
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