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 名探偵コナン満を持しての第13作。
 不吉な数字を強調し、抜擢されたのは黒の組織。

 <ストーリー:wikipediaより抜粋、改編>
 関東圏内で起こった広域連続殺人事件。現場にはいずれもアルファベットが刻まれた麻雀牌、「たなばた、きょう」というダイイングメッセージが残されていた。警視庁では一都五県の刑事達が合同捜査会議を開き、特別顧問として小五郎も招かれた。会議終了後、参加していた一人の刑事がジンの車と同じ車に乗り込むところをコナンが目撃。黒の組織を追うために、周囲への被害を防ぐため単独捜査に挑む。
 そして、ついに訪れる7月7日。
 複雑にいりくんだ殺人事件、そして暗躍し警察を翻弄する黒の組織。

 すべての協力を失ったコナンを待つ運命は―!?


 <感想>
 13という不吉な数字を強調した今作は、1クールの節目でありコナンの原点、5作目以来に黒の組織が登場する。あれから8年、ジンとウォッカ以外にもメンバーが増え、そこをいかに使い作品として仕上げるのか。また、ある種別工程で進行する劇場版において、黒の組織を完結させることなく、いかに新たなエピソードとして残していくのかが個人的な注目ポイントであった。
 近年のコナンではおなじみとなるダブルサスペンスを取り入れ、連続殺人と黒の組織二つの要素を複雑に絡み合わせて進行する今作は、今まで以上に事件の複雑性に的を得た作品だ。ミステリーや、そこに存在する過去など、深くて退屈を催すのではないかと思える程複雑ではあるが、同時に印象的なシーンも残すことで、複雑さと面白さを共演させることに成功している。
 しかし、冒頭での黒の組織に関する説明が少し不足していたり、事前におもな人間関係が分かっていた方がよかったりと、いわば「やや上級者向け」である感は否めない。「やや」というのは、上級者じゃなくても一つの作品として楽しめることはできるが、それらコナンワールドの遺産を知っておくことでより十分に楽しめることができるためだ。

 前置きが長くなったが、このように今作は今までの劇場版のようにアクションに重きを置いたものではないと感じる。もちろん、爆発的なアクションシーンは毎回おなじみ顕在ではあるが、それ以上に事件の複雑さが目立つな、という印象。そのため、今までと同じ物差しで測ることは難しいと言える。かなりきわどい作品であることに変りはないのだが、「黒の組織」と、ある種単発である劇場版でからませることの困難さを考えれば、十分に満足いく出来であった。問題をあげるとすれば、「黒の組織」が絡むとこちらとしても否応無しに期待してしまうし、それに応えるように予告編もテンションを挙げてくることだ。水準以上のクオリティに間違いはないが、予告編や「黒の組織」に過度の期待をかけると人によってはつらい結末になりうるので、いつもの作品を見に行くテンションを保ってほしい。
 コナンファンであればあるほど楽しめる本作。10周年時よりファン向けなのではないかと思わせるつくりである。本作で入門するという方は少し事前に知識を仕入れておくことをお勧めするし、今までコナンと付き合いのある方は過去の戦いを思い出しつつ本作に浸ってほしいと思う。



 <ネタばれを含む感想>
 窮地に陥るコナンは、史上1,2位を争うほどではないだろうか。警察からの情報を失った彼が頼れるのは西の高校生探偵だけであり、その二人のやりとりはなかなか面白い。平次の出番は少ないが、十分なインパクトを残しかつ、この戦いにおけるコナンの危機的状況を浮き彫りにし、クライマックスへの加速を担った。コナン孤独の戦いを強調する為か、灰原や蘭との絡みは逆に少ない。それでも、毎回のロマンスは少しながら盛り込まれているし、お約束は裏切らないつくりだ。孤独という点では、コナンの行動と別個に進む警察の捜査に力を入れている点でも異色と言えよう。濃いい警察がバンバン出てきて、これはこれで面白いな、と思った。これまではコナン:警察=7:3とか8:2だったと思うが、今回は5:5か6:4かぐらい。ありそうでなかった警察演出は、黒の組織に話題性で押されてしまったが、本作にはこのような側面もある。

 ちなみに、毎度気になるメインテーマだが、今回もかなりあげてきている。メインテーマの変遷は、
1作摩天楼はTVヴァージョンの正統アップグレードで、2作標的はそれをさらに改造した印象。名作と呼び名高い3作目世紀末はトランペット冴えわたる情熱的な印象だ。こちらは本編演出との相乗効果も忘れてはならない。4作目暗殺は一転しTV版への原点回帰。しかしスピーディーなアレンジが加わっており、懐かしさの中に進化を感じさせるつくり。
 さて、5作目天国からは第2世代ともいうべきアレンジになる。何より出だしから原型を大きく変えてきており、より壮大な仕上がりとなった。このOPを初めて見た時はなかなか度肝を抜かれたものだ。この2世代ヴァージョンは次回作ベイカーヴァージョンにも継承されている。
 そしてこだま監督が最期を務めた7作十字路では、和をイメージし、出だしが前とことなる3世代を生み出したと言える。このヴァージョンは特に本編にマッチしており、印象深い。8作銀翼は、十字路をベースに和のテイストを取っ払い、より重量感あるパワフルなアレンジだ。9作謀略は、2世代を海風に反響を利かせアレンジ。残念ながら印象には薄い。
 10作鎮魂歌は、またしても新たな世代を生み出したといえる。エレキギターをかきならし、最も印象的なのは出だしだ。これも本編演出ジェットコースターに合わせスピーディーで10周年の重みを与える。11作目紺碧はミステリックな印象のあるで出したが、あとは変わらず。また本編が史上最高の駄作であったため、コメントは控えたい。
 さて、12作目からは楽器を変えることで印象を変えた。また、12作目から有名なメインのメイン部分ではなく間奏の部分で大きく冒険をしていくことになる。戦慄では間奏だけだと何かわかりづらいくらいアレンジを利かせている。

 そして今作漆黒である。静かなスタートに始まり、一気に盛り上がるメインテーマ。メイン部分は非常に1世代に近い。原点回帰ともいうべきか、目新しい楽器やアレンジも少ないのは逆に印象的。しかし特筆すべきは間奏部分で、いきなりギターが入ってきて、またしてもここだけ聞いたらわかるか!?というアレンジ。静と動、そして全体に漂う緊張感と渋い暗さは作品の雰囲気をより高めている。かなりの力作である。

 さて、今後に気になる伏線などを少し上げておこう。
 ・EDの歌詞で「すぐ」であろう部分が「すく」となっていたのは誤字なのかな。DVDでは修正されているのだろうか。
 ・佐藤刑事が別組織の行動について勘付いており、これについて今後いかなる展開があるのか。また、高木刑事がそれについてわざとらしい程の否定っぷりを見せたことについて、まさかとは思うのだが・・・。
 ・ジンとコナンとの接触。おそらくは今回が初めて?「なんだこいつは・・!」に現れる驚きには、今後の激戦を予感せざるを得ない。今までジンを追い詰めた数少ない敵として認識されたコナンは、今後徹底的な調査をされるはずである。また、アイリッシュから「工藤新一」の話題を振られた直後の敗北だけに、ジンが勘付くのはそう遠くないはずだ。

 覚えている限りではこのくらいだが、この映画は2,3回ほど鑑賞することでうまみが出てくるタイプの深いものであるはずなので、また今後見ていきたい。
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