忍者ブログ
[623]  [622]  [621]  [620]  [619]  [618]  [617]  [616]  [615]  [614]  [613
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2回目は重い傑作。

クリントイーストウッドと言えば、私はマディソン郡の橋しか見たことが無い。嫌いじゃないのだが、別に好きでも無かった。だが、イーストウッドの映画はそういうものなんじゃないだろうか。そんな感想を抱いている。

なかなか大々的に取り上げられた本作だが、パッケージでは話を想像できないし、グラン・トリノが何を指すかも知らないまま、前情報無しで観たが、これは「見事だ」とそう思える作品だった。

戦争の記憶を引きずり、新しい時代に行きいていけない老人。そんな彼は、親族からもうとまれる存在であり、そして彼自身も親族との距離感をつかめないでいる。新しい時代であり、新しい環境は、周囲に住む「イエロー」の問題。モン族の人口が増えつつある。そういった一連の変化に戸惑いつつも、親として、人間として変わっていく男。そして、ゆがみ続けた彼が最後、愛するべきものを守るためにとった行動は…。

大筋はこんな感じだが、スパイスともいうべきアクセントの効いた設定やエピソードが随所に盛り込まれている。当然、話の流れに惹かれ、結末への興味も高まっていき、それぞれのキャラクターへの愛着もわいてくる。それらすべてをより高いところまで押し上げるのは、監督イーストウッドのこだわりであり、役者イーストウッドの迫力である。全ての映像に力があり、とりわけイーストウッドの演技には息を呑むばかりだ。「並み」ではない。本当にその場にいるかのような臨場感だった。

部屋の戸を閉め切って、空気をよどませてよどませて…最後に一気に窓を開けるかのような、閉そく感からの爽快感。2時間の中でも色々な感情のうっ憤は、全て処理してくれます。ハッピーエンドなんだけど、苦い。そのバランスがすごく良い。

3Dだなんか甘っちょろい。
しっかりした背景・設定、引き込む脚本、映像の見せ方、そして何より俳優の力。それさえあれば人の心をわしづかみに出来る映画が出来るのだということを体現している映画。
様々な映画を見てきましたが、屈指の作品であります。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
Zero
HN:
Zero
性別:
非公開
ロックマン、遊戯王、勇者シリーズ、はたまた政治なんかも時々取り上げる自分日記。行きついちゃった人は、記事検索してくれると思いのほか良い情報が手に入ることが…いや、ほとんどないはずです。
smap s.m.a.p
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[07/27 Zero]
[07/24 P-man]
[06/03 NONAME]
[06/14 栄子]
[04/16 にゃん]
最新TB
アクセス解析
忍者ブログ [PR]