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日本人が初めて世界に挑SFエンターテイメント


ヤマト、発進である。20億もの製作費をつぎ込み、文化庁の支援を得、(もっぷんの支援を得)、キムタクの異例ともいえる番宣の支援を得、地球を救うために、人類の希望をのせて。

さて、ではその感想を余すところなく書いていきたい。当然、ネタバレ要注意である。




いきなり言ってしまうのも色々あれだとは思うが、酷い出来である。VFXについては当然、ハリウッドに勝てるはずが無いので(いくらヤマトが邦画では異例の20億をつぎ込んだにしても、トランスフォーマーは150億である。日米の映画市場の規模が桁違いなのだ)、もうそこは切り捨てて、日本人が挑める「ストーリー」に少しの期待をはらませつつだったのだが、何ということは無い。このストーリーがVFX以上に酷いわけだ。

さて、ではVFXから書きつつ、脚本部分・演出部分も絡めて書いていきたい。
これが日本の限界だとしたら、アメリカと10年ほど差をつけられていると言わざるを得ない。ヤマト発進の時の地盤の崩れ方、がれきのはがれ方は完全におもちゃだし、CG部分⇒実写にカメラがシフトしていくときに継ぎ目が分かってしまう。(艦橋を外から窓越しに内部に写すシーンなど)
それから、役者がCG撮影に慣れていない。一番ひどいと思ったのは、古代進(堤さん)から最後の入電が入った時のシーンだが、これはコント並みの出来だった。これが序盤数分で出るわけだから、いきなり不安モードに入る。
「いやいや、大丈夫だよ。CGはこんなものだと踏んでたじゃないか!ここから…ここからストーリーで挽回してくれるよ!」そう自分に言い聞かせる。
人間の地下世界の生活ぷりはなかなかリアル感があって面白かった。良かったところをあげるとすればこのあたりかもしれない。だが、まぁ並みの水準だ。

で、なんやかんやあってヤマトに乗り込むわけだ、キムタクが。
そしたら変な馬鹿な軍団がやってくる。これ、ヤマトのパイロットチーム。HEROの犯人役も彼もいる。へらへらしてて気持ち悪い。学生の演技か、って言いたくなるくらい酷い。
黒木メイサも出る。かっこ良い。後述するが、この映画は黒木メイサに支えられたようなもんである。
艦橋のクルーたち(つまり優秀な人々だ)も、いちいち何かある度に過剰に喜ぶ。気持ち悪い。レーダー係の女の子はいっつもそれで敵を見逃す。敵が来る。危機に陥る。感情的になる。「いいちかばちかじゃ!それ!!」やった、奇跡が起きた。これの繰り返し。
戦闘シーンはまぁ、「おお!」と思えるシーンもあるんだが(ヤマトの横転換や、ワープからの砲撃台破壊シーン)VFXのしょぼさが悲しいほどに邪魔をしてくれる。
特にこれ、古代が館長代理になってからが多い。未熟さを見せる為なんだろうが、見せ方があまりにも初歩的すぎる。もっと色々練ってほしいところだ。こんなピンチと解決なら誰だって思いつく。そこに深みと戦略が無いのは、日本が世界に挑む脚本として終わっている。
で、代理になって初めて仲間を切り捨てるってところがあるんだが、その切り捨てるところに古代の後輩がいたりする。この数分前に「古代さん!」と再会シーンが違和感丸出しに出てきて、死亡フラグを立て、しっかりフラグを処理する。のだが、「いや、別に…」と黒木メイサに代役をとられた沢尻エリカばりの反応をしてしまう。「ほらね、古代はね、艦長になることで仲間を見捨てる必要が出てきちゃったんだ。艦長の気持ちをここで知ってね、だんだん成長していくんだよ」ということを言いたいのだろうが、別にその人間(死んだ後輩)に愛着も無いので、そんな感動の押し売りされても困るよ、となる。異常な伏線の張り方と予定調和な展開に、脚本いい加減にしろ、ケータイ小説か、となる。

あぁ、で、なんか知らないうちに古代と森が出来てしまう。本当に知らないうちに来るのでびっくりした。「もっと楽にやろうぜ、貸1な」とか古代が言ってたりしてたと思ったらいきなりキスをする。もっと、今度が森が古代を助けて「借りは返したんで」とか言いながらメイサスマイルでも見してくれて、距離感が縮まっていくところなんかを出していたら違和感無くつながったんだろうが…。まぁとにかく、これほど酷い超展開を久しぶりに見たわけだ。
で、キスからのワープのシーンが入るのだが、これが後に、壮絶なオチをもたらすことを、僕たちはまだ知らない…。

と、見事な引きで後編に続く!!
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ロックマン、遊戯王、勇者シリーズ、はたまた政治なんかも時々取り上げる自分日記。行きついちゃった人は、記事検索してくれると思いのほか良い情報が手に入ることが…いや、ほとんどないはずです。
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