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すげぇ似てた
皆がいて、俺がいる
これからも、ずっと、ずっと―
絶体絶命だった。ヤンチャーを強制的に降ろし、セブンチェンジャーは渾身の力を込めレッドロンと相撃った。「星史・・・王子を・・・頼む・・・!」
シアンの圧倒的な戦力に、ダ・ガーンもなす術を失いつつあった。勝利のためには、もはや伝説の力しかない。
厳光寺にセットされたプラネットエナジー活性化装置。もはや無理かと思われたその時、ひかるの、蛍の、ヤンチャーの、世界中の人たち、動物や、木々、海、空の全てが、それぞれの思いを共にした。湧き上がる金色の光。そして、いつしか勇者たちも光のエナジーとなり、ダ・ガーンに集まって行った。あふれだす力。
「星史・・・」
「分かってる。いよいよだ・・」
巨大な光がシアンを吹き消し、光り輝く伝説の勇者ダ・ガーンはオーボス星へ向かう。もう、恐れるものなど何もなかった。「俺は明日を信じてるんだ・・・明日は、俺たちが作るんだ!!」
1年という長い時間をかけ、多くのものを伝えてくれたダ・ガーンがついにフィナーレを迎えた。このブログでは2カ月にわたり実況してきて、間にPS3故障などを挟み大変だったが、無事に終えることができる。
過去2作を経験した谷田部監督のお力はお見事だった。全体に一貫性を持たせつつも、決してそれが強すぎること無く、1話1話を素直に楽しめる。一話完結でもない、一貫したストーリーでもない、その間を行くことで、退屈な展開を防ぎ、予想外な展開がありつつも、全体としてみるととてもよくまとまっているという素晴らしい作品だった。
そしてまた、魅力的な敵キャラクターも大きなポイントだ。敵のボスの手足として動くだけでなく、皆それぞれに意志があり、考えがある。
<レッドロン>
最初はただのおちゃめなメカマニアだったが、失敗から改造人間にされてしまう。最終的に撃沈した初期の敵メンバーは彼だけというのが意外だったが、そもそも好戦的なので本望か。彼のようなキャラクターは、前半と後半の色分けの象徴になりうる。レッドガイストは反則的な強さ。
<ブッチョ>
アヤシサーカスの団長しかしてその実態は。自分が蔑まれたことを忘れられず、自分だけの楽園を作るべくオーボスの手先となっていた。しかし、蛍に触れることで本当の自分というものに気付いてゆく。機械獣にジョアンナちゃん、蛍にジュラるディんちゃんなどと名付け、塩谷さん声優ということもありかなりキャラがたっている。
<レディ・ピンキー>
山本ピンク、マジカルピンキーの正体でかなりの女王様気質。星史の心に大きな穴をあけるという大役を担った。子どもからおばあちゃんまで、冬馬さんはさぞ大変だったであろう。傲慢にして自己中心的。物事の全てを損得勘定で考え、若さに執着するというひどい正確だが、物語終盤、彼女も星史と心を通わせるようになるというのはダ・ガーンならでは。ダイレクターを奪った回を担った功績は大きい。
<ビオレッツェ>
俺の大好きな幹部。真面目で策士なんだがおっちょこちょいがたたるなど、実は一番コメディに映えるキャラかもしれない。オーボスに心酔していたが、ついにその正体、目的に気付くことになり寝返る。オカマという反則的特徴を持つも、その意志は男の中の男。愛する者の為に命を惜しまないその姿に感動。「同じ宇宙に生きる」ということに共感しているなど、実は美しい心の持ち主だったのだ。
初期幹部は本当に憎めない奴ばかりで、むしろ好感が持ててしまう。個人差はあろうが、俺に至ってはダグオンの敵キャラは全く覚えていないがダ・ガーンはよく覚えていた。そこには、子供心に訴える敵としての魅力が大いにあったということだろう。デブで緑、ピンクで女、紫のオカマと一見しての記号がはっきりしていて飲み込みやすく、深く味わうと様々な表情を見せるという描き方はお見事。
<シアン>
物語終盤から出てくる絶対悪オーボスの親衛隊。とにかく強い。エグゼブがどうとか、フォルツォイク親子がどうとかいうレベルじゃない。惑星を破壊しかねないGXバスターをはじく姿は印象的だった。
<オーボス>
宇宙そのものであり、我々人間の投影である。恐らくは宇宙の誕生とともに今までずっと生き続け、この宇宙の全ての歴史を見てきた存在。プラネットエナジーを集め、伝説の力を求める。伝説の力で全てを虚無に染めあげようとするが、実は死の願望があったのかもしれない。最後のセリフは「これで死ねるのか」。
存在のもう一つの意味は、我々の投影だ。地球のエネルギーを我が物顔で吸いつくす存在。地球を危機に陥れる存在だ。
勇者シリーズの中でも、ブッチョ、レディ、ビオレッツェのように、こちらに協力し改心していくという展開は類を見ない。罪は完全に許されることはなく罰は受けることになるが、勧善懲悪に終始しない、人間の優しさというものを描いている。
<香坂春夫・つくし夫妻>
ダ・ガーンがシリアスな展開になってもいやしてくれる貴重な存在。そして星史の生命線を担う存在でもある。なぜこんなおっとりした抜けている夫妻からしっかりしたひかるが生まれたのか?!いや、こんな夫婦だからしっかり育ってしまったのか?!ともかく、なんていうか、ほんわかしてて大好きですこの人たち。
<根元巡査>
「本官のパトカー!」本当に、街を愛し守る警官です。こんな警官がいる緑が浜がうらやましい。ダ・ガーンがシリアスな展開になっても笑わせてくれる貴重な存在。実はすごいど田舎の出身で、それでも警察官という仕事に誇りを持っているから頑張っている、というあのエピソード一つで、その人を深く見れるんですよね。始末書だらけでパトカーもなければろくに仕事も出来なくて大変だったけど、最後にダ・ガーンとお話できて報われました。ブッチョのウサギをバタバタとなぎ払うその姿は、動物愛護団体とやらが騒ぐんじゃないかと冷や冷やした。
<桜小路蛍>
この子がいなければ星史は成長のカギを得ることができなかったし、伝説の力も発動しなかっただろう、自然と心を通わせることができる不思議少女。星史にアドバイスをしたり、ブッチョに説教したりと、貧相な外見とは裏腹、強い意志を持るインパクトのある存在です。ひかるとダブルヒロインなのか?!と思いきや蛍は正統派の不思議系で、どうにもこうにも・・・。彼女自身も、星史やひかる、ヤンチャーとともに闘って友情を深めていくことで、大きく成長していますね。すごく笑うようになったし。これからも皆仲良くいてほしいです。
<香坂ひかる>
正真正銘、星史の嫁さん。しっかりしていて男勝り。だけれど、誰よりも星史のことが心配だし、星史がデレデレしてるとイライラしてしまう。・・ツンデレか!!いや、少し違うか。「誰かを守る」と考えた時に、星史が真っ先に想い浮かぶのがひかるなんだと思います。いつも近くにいすぎて気付かない大切な存在。うっとおしいと思っても、ふと考えると、すごく大切な存在。そんな大事なポジションに彼女はいますね。喜怒哀楽があって強く、見ていて楽しい少女。ピンクへの嫉妬とか、本当は本当に星史が好きなんだと思う。
<ヤンチャー>
星を滅ぼされたという事実を星史に持ってくる大事な役目。最初は野性味たっぷりだったが、ヤンチャーも地球人と触れ合うことで、次第に成長していく。父親と母親、いやそれどころか故郷ごとおさなくして失くしているので、人間と分かち合うということに、実は欠如していたのかもしれない。(それでも、セブンチェンジャーの教育は功を奏しているはずだ)星史の家庭をしごくうらやましがり、香坂夫妻の手料理をうまいうまいと食べるその姿に、少し心が痛む。
<高杉光太郎、美鈴夫妻>
偉大なる父親、地球防衛機構大佐である。星史の正体にはやく気付き、ダ・ガーンに協力を要請しては広い心で信じあうことができる非常に理解のある方。オーボス星でもたじろぐことなく敵と渡り合い、どんな窮地でも崩さぬその表情、まさに軍人の鏡である。一方で、ときたま帰ってきては真顔でギャグをぶっとばすというおちゃめな面もあり、忙しい中でも星史に剣道の稽古をつけるという父親の鏡でもある。
そして美鈴は敏腕ニュースキャスター。とにかく料理がどうしようもなく、家をあけがちだが、その一方で誰よりも星史の心配をしている。星史が家事得意になったことに心を痛めているが、これが実は確信犯だったりする。しかし、星史がへこめばそこは母親。星史に最後の力を与えてくれたほかならぬ人物である。母の力は偉大。
<セブンチェンジャー>
ひたすらに王子ラブ。王子の勇者であり、父親でもある。ダ・ガーンに引けを取らない苦労人だろう。復活するも故郷を守れなかったという枷に、ずっと苦しめられてきた。敵として登場しセイバーズを死に至らしめるなど圧倒的な強さを見せていたが、味方になるころには敵の勢力も協力になり、パッとした活躍は見せれられないでいた。そして見所は何と言っても最終回。最後の力を振り絞ってのレッドロンとの玉砕、ヤンチャーの絶叫は多くのファンを泣かせたことだろう。彼がいつしか星史やダ・ガーンと打ち解け合っていく様は、とても面白かった。
<ランダーズ>
「ラァァアアアアアアアアアアアンド、バイッソン!!」でおなじみ、口の悪いランダーズ。セイバーズ正反対の正確にすることで、双方とも個性が際立っている。リーダーが脚部担当など、かなり珍しい合体方法を持つ。そのパワーたるや絶大、いやそれ以上に固いものでもそれ以上固いものと気合ぶつけりゃなんとかなるだろ!!みたいな元気は星史の心を強く後押ししたはずだ。
<セイバーズ>
ランダーズとは対照的な礼儀正しき空の勇者たち。ジェットセイバーなのかジャンボセイバーなのかリーダー争いはあるが、俺はずっとジャンボセイバーだと思っていたぞ。セブンチェンジャーにやられるも、ペガサスセイバーにパワーアップして登場。このペガサスセイバーは勇者史に残る挑戦であった。あとにも先にもこの合体方法は存在していない。飛行能力と安定した戦闘能力は、きっと星史も頼りにしていたはず。残念なのは、必殺技のバンクが佐々門作画だったこと・・かわいそうに・・・。ちなみにCDドラマでも彼らの一幕は笑必死だ。
<ガ・オーン>
「酋長、疑う、よくない」キリマンジャロの勇者ガ・オーン。ダ・ガーンがアフリカにいる間、星史の一番勇者として地球防衛の任務を担った。さびしがりやで無口。きっと皆好きだったはず。その強さたるや絶大。しかし、Gダ・ガーンGX登場後は完全なツールに化してしまい残念だった。
<ダ・ガーン 高杉星史>
我らがリーダーダ・ガーン。本当に勇者らしい勇者。カタブツとも思えるほどのまじめな性格で、星史を信頼し続けていた。星史とはやっぱり、親友っていう間柄が一番いいのかな。実は、根元巡査に迷惑をかけつづけていたことを気にしていた。ブレストアースバスターやGXバスターなどの超強力技をはじめ、技のバリエーションはかなりある。
そして隊長、高杉星史。まさに主人公の中の主人公。わがまま放題、地球のことより今日の晩御飯とかわいいあの子のこと~というようなまさに少年の中の少年。それがなぜかオーリンに選ばれ、勇者たちの隊長になった。数々の試練に見舞われ、そのたびに成長していく姿は、1年放送の醍醐味。地球の誕生からプランクトンの発生、そしてそれが魚になり、陸にあがり、多くの祖先がいて、今の俺がいる。そして今の俺をとりかこむひかるや蛍、ヤンチャー、父さんや母さん。自分はひとりで生きているんじゃ無く、皆がいて俺がいるんだ。ということを、辛く過酷な戦いを通して学びとってきたのだ。1話と46話の星史を比べれば、まるで別人である。なぜオーリンが星史を選んだか。それは、星史が信じる未来の可能性をダ・ガーン同様に信じていたからなのだろう。そして、ダ・ガーンやオーリンや星史たち若者に、自ら地球を考え、生命を考え、その上で彼ら自身で、進むべき道を歩んでほしいというメッセージを残したかったのだと思う。もちろん、ダ・ガーンはそんなこと一言も口に出さない。大事なことは、言わないものだ。それは、星史や皆が感じ取り、そしてこれから作っていくものだから。
優しく、しかし深い声で、ひとことひとことが心に沁み込んでくる。
「ダ・ガーン!!」
お別れだ。もう。
「君の言った未来を、私も、信じている」
そう残し、ダ・ガーンは再び長い眠りについた。
ダ・ガーンの最後のぬくもりを感じながら、星史は空を降りてゆく。その故郷の風が、星史の体を包みこんでゆく。見渡せば、自分の故郷。戦いでボロボロになっても、命の輝きできらめいている美しき緑が浜だ。
ひしゃげたパトカーがきれいに突っ込んでいる厳光寺では、根元さんが、ひかるの父さん母さんが、団長が、蛍が、ヤンチャーが、そしてひかるが、俺の帰りを待っていた。
―みんながいて、俺がいる。今まで、これからも……ずっと、ずっと……!―
伝説の勇者ダ・ガーン
最終回 風の未来へ
第45話 地球絶体絶命
俺は絶対に未来を信じる!
ついに地球への総攻撃が始まった。レッドガイストとセブンチェンジャーは緑が浜で戦闘。星史はその間に、GDOへ向かっていた。
伝説の力は、本当に発動するのか。全人類が、利己益の為では無く、本当に地球と想いを共に出来るのか。残念ながら、発動のカギがそろわずにいた。そんな時、全世界に日本のテレビ局から放送が入る。美鈴だった。
星と運命を共にする者達よ
星と想いを共にせよ
星と願いを共にせよ
黄金の光集いきて
新たな道を照らすであろう
そこへ現れるは分からず屋の郷上だが、美鈴の啖呵がそれを圧倒した!
そして時同じく、シアンの放つプラネットエナジー活性装置が作動。南米、チベット、アフリカの解放点がヒットした。そしてオーストラリアへ向かってくる敵を迎撃するダ・ガーンだったが、シアンの力は絶大だった。惑星に損害を与え、地球圏外まで伸び続けるブレストアースバスター同様に強力なGXバスターをいとも簡単にはじく。ダ・ガーンの絶大な力をもってしてもかなわぬ相手。そしてそれは、レッドガイストも同様だった。
思わず弱気になるダ・ガーンを、星史が一喝した。「俺たちはまだ生きている!俺は絶対に未来を信じる!!」伝説の力発動への準備はすべて整い、敵ももう全ての解放点をヒットさせようとしている。両者の激突の舞台は、始まりの街・・最後の解放点がある緑が浜へ。
最終決戦における勇者の絶体絶命はお約束だが、だがしかしいやがおうでも盛り上がる。全ての勇者が分散し、解放点をつなぎとめようとする。圧倒的な敵の戦力。絶体絶命の状況。
地球の未来は―
次回、最終回 風の未来へ
第44話 オーボス星の決戦
同じ宇宙に生きているから
傷ついたビオレッツェとピンキーをかくまっていたのは、何と蛍だった!星史やヤンチャーはなぜそんなことをするのか分からなかったし、レディもそれを拒んでいた。蛍の言うその理由は、「同じ宇宙に生きているから」
高杉大佐の居場所を教える代わりに、オーボス星へ連れていけというビオレッツェの要求。この策士に幾度となく追い込まれた星史だったが、彼を信じることにした。星史自身、「同じ宇宙に生きていること」と感じ取っていたのだろう。
そして見逃せない根元さんの見せ場!目の前で洗車していたパトカーが変形・合体しGダ・ガーンGXへなる。巨大で謝るダ・ガーンに、久しぶりに笑みがこぼれる。そう、それだよ!これが根元さんのポジションなんだよな!!始末書も報われた瞬間だった。
さて、レディの若さを取り戻してやったビオレッツェは、追い込まれた中レディに「同じ宇宙に生きる」ということを説く。命がけで彼女を救おうとしたこの男に、レディの強情な心も変わりゆく。「出来れば、あんたともう少しそういう生活がしたかったわ・・」くそ。なんてかっこいい野郎なんだビオレッツェ!勧善懲悪の否定、というテーマも大きい。悪は悪だが、罰せられぬ悪も存在する。それこそが、ビオレッツェであり、レディであり、ブッチョだ。人は変わることができる。それを示すのがこの3人であり、ダ・ガーンの面白いポイントだ。
ビオレッツェは、オーボスのやり方に賛同できなくなった。いつしか、星史たち人間の言う絵空事のような希望に、彼らの優しさに賭けたくなったのだろう。巨大な敵にひるむことなく、自分の信じた道を貫き通すその姿は、敵味方の線を越え、心に染みいる。
ビオレッツェは猫に変えられてしまったが、辛くもオーボス星から脱出。レディの心も氷解し、星史たちと分かりあえることが出来た。父の存在、母の存在、そして昨日の敵は今日の友。この3作で、最終決戦への道は開かれる。
かつては敵だったが、この同じ宇宙に生き、分かりあえた友の想いを心に―
次回、地球絶体絶命
第43話 隊長、命令を!
高杉星史の決断。
今まで、地球のことなんて何も考えていなかった星史は突然、何の前触れもなく、地球を守る勇者たちの隊長になった。勇者たちが忠実なのを良いことに最初はお遊び半分だった。
だがしかし、敵が地球のプラネットエナジーを狙っているということ、そしてプラネットエナジーを失った惑星は滅びるということを知った。実際に同じ目にあった惑星の生き残り、ヤンチャーやセブンチェンジャーと出会った。このひとつひとつが星史の肩に重くのしかかっていた。
そして極めつけは父を失ったこと。自分のもっとも身近な愛する人を、初めて失ったこと。自分のミス一つで、母親を、ひかるを、蛍を、大切な仲間たち、そして地球を失う恐ろしさを思い知った星史に、もはやダイレクターを握ることは出来なかった。
同時に、若さを失い功を焦るピンキーが緑が浜へ攻め込む。容赦ない攻撃が続くが、命令が無い限り勇者たちは行動できない。
星史は今まで、ヤンチャーが母親とべったりしているのを見てはたびたび怒っていた。普段そんなそぶりは見せないが、父も母も家を空けることが多い中、星史は意識していなくとも愛に飢えていたのだろう。そこへのしかかってきたのが地球防衛というプレッシャー。星史は、あふれだす感情を抑えきれなかった。そして、そんな星史を動かしたのは、ほかでもない母の力だ。震える手で、大丈夫だと星史を抱きしめる美鈴。星史は悟る。自分がここで逃げていては、全てを失うことになってしまう。自分がここで立ち向かわないと、もっとも恐れていた事態になってしまう、と。いないのだ、自分のほかに。オーリンに選ばれ、勇者たちを率いる隊長は、自分の他にはいないのだ。
全ての迷いを捨て去り、真の隊長の気概を得た星史の顔は澄み切っていた。1年を経て、星史は真の隊長となったのだ。
戦闘が終わり、まさかシアンによって撃墜されたレディを助けたのはビオレッツェだった。彼は、オーボスの存在に疑念を抱き始めている。上級幹部であったはずの彼の意志の変更。ダ・ガーンの面白さは、敵にも非常に強い個性があることだが、はたして、ビオレッツェの次の行動は・・・?
次回、オーボス星の決戦
第42話 出現!伝説の力
<エピソード概要>
高杉大佐を乗せオーボス星へ乗り込んだダ・ガーンはいきなり攻撃を食らうが、高杉大佐の機転により、それを防ぐとともにオーボスをあぶりだすことに成功した。オーボスと和平なんか出来やしないと考える星史に、大佐はあくまでも和平を貫く。
「おたまじゃくしは蛙の子。蛙が立派な生き様を見せてやらねば、オタマジャクシもどうやって手を出し足を出せばいいか分からんだろう・・・。
「大事なのは生き様だ」
と、心に響く数々の名言を残している。それは地球の隊長に語りかけるでもなく、敵をひるませるために言うわけでもなく、ただひたすら、自分の息子に語りかけているようだった。あまりにも深すぎる。
「この2本の指がくっついたとき、伝説の力が発動する」
そうハッタリ切って、あせるヴィオレッツェを尻目に「冗談だ」と言う。オーボス相手に交渉の主導権を握るというのは、さすが地球防衛機構の大佐。オーボスは下品な高笑いをし、伝説の力は「退屈しのぎだ」と言った。
激高する大佐と政治。拷問を受ける二人に、ダ・ガーンも出力を上げていく。
地球では、蛍やひかるたりが祈りをささげていた。
星と運命を共にする者達よ
星と想いを共にせよ
星と願いを共にせよ
黄金の光集いきて
新たな道を照らすであろう
みんなの思いが募るほどに、ダ・ガーンは力を増していく。感動の展開である。
しかし、シアンはダ・ガーンに執拗な攻めを繰り返し、ついには高杉大佐を捕らえた。「大佐!」かけより助けようとする隊長に、
「来るな、星史!!」
お前が地球に帰らなくては、誰が地球を守るのだ。
星史は半ば強制的にダ・ガーンに連れられた。シアンに押される中で見えたのは、攻撃されながらも、あまりにも凛々しくたくましい父のVサインだった。
「父さん!!!」
星史は涙を流し絶叫した。そして同時に、星史の、美鈴の、ひかるや蛍の気持ちにこたえるかのように、伝説の力が一時的に発動したのだった。
<レビュー>
・・つまり何がいいたいかと言うと。
泣いてしまったわけですよ・・。俺は。昨日の夜中に。
父さんはきっと、ずっと、はじめて会ったときから星史だって気づいてたんでしょう。だからダ・ガーンたちを誰よりも信頼していた。素性を知ることなんて大事な問題じゃないと思っていた。実際にそうだったのだろうし、何より、その正体を知っていたのだから。
先に生きる大人として、子供たちに見せてやれる背中は何か。『蛙』として、その小さな背中に地球の重みを乗せて戦う星史に見せてやれるものは何か。高杉大佐の答えは、「勇気」だったんだと思います。戦わないという勇気。生身ひとつでおくさず敵と渡り合う勇気。窮地に陥っても、堂々とVサインを見せ付ける勇気。
緊張感の漂う音楽が突然ぷっつり切れて響く父親の言葉。あのシーンはもうたまりません。とにかく今回は名シーンの塊で、これは一生に一度見ておくべき、父と息子の熱い物語です。
オーボスって、実は僕らなんだな、と。高杉大佐が「欲望の奴隷め!」と激高していましたが、今の人間も際限ない欲望を満たすため、エナジーを地球から奪っている生命体なんですよね・・。このオーボス、その新の姿は何なのか。多くのプラネットエナジーを搾取し惑星を壊し続け、伝説の力を得、絶対の孤独の先、その果てにあるものは・・?ここはもう少し、後のレビューでも触れていきたいと思います。
父が行方不明になった今、隊長はどうするのか・・。
次回、 隊長!命令を
第41話 大接近!オーボス星
GDOからの協力要請を受け、オーストラリアはエアーズロックへ向かう星史たち。エアーズロックが解放点である可能性はほぼ確定となった。
ブッチョが逃亡を図ったり、星史たちは正体を明かせなかったりでまたも協力関係は平行線へ。そこで、高杉大佐が一喝。自らオーボスと和平交渉に臨むと申し出た。星史たち勇者は強い心を絆で戦う、一方でGDOはとにかく頭を使って戦う。この間に分け入る父親の存在がとても大きく感じるエピソードだ。父親としても、軍人としても、それぞれの型に全くはまっていないのに立派。いや、型にはまっていないからこそ立派なのだ。恐るべし、である。
そしてついに出現するオーボス星にシアンの攻撃。ダ・ガーンが、あえて連行されることでオーボス星に乗り込む道を選択する。セブンチェンジャーがダ・ガーンの心配をするあたり、勇者の連携の強化もうかがえます。
第38話 対決!レッドガイスト
第39話 奪われたビッグランダー
第40話 密林の再開
最終決戦へ向けたラストフェイズは、最後のコメディタッチが、なんだか悲しくなる。
最後の戦いを仕掛けてきたブッチョは見事迎撃され、蛍に再会することになる。ブッチョを知る蛍は「大丈夫」というが、星史やヤンチャーはとてもじゃないがそんなことできるはずない。結果的に、8人のうち一人のブッチョははぐれてしまう。
そしてヴィオレッツェ編の終了。勇者たちの力を合わせた攻撃により、ヴィオレッツェの戦艦を撃破させた。そして台頭してくるのが、強大な力を手に入れたレッドロンと、怪しげなUFOメカ、シアンだ。敵陣に愉快なやりとりは消えあり、そこにあるのは殺伐とした雰囲気。レッドロンの強化に焦りだすヴィオレッツェと、組織間の不穏な動きも見逃せない。この空気の変化が物語に与える影響は存外大きく、いよいよ最終決戦と感じさせる。グレートダ・ガーンも勝負をつけられない状況が増えだすこのパート。レッドガイストは出力馬力ではセブンチェンジャーはおろかグレートダ・ガーンをも上回る性能で、今後いかにして戦うのか…。
さて、奪われたビッグランダーに続く2話はコメディ色が強く楽しめる。蛍は勇者の正体に気付いているが、ここにきてひかるが勇者や隊長の正体に気付く。カーチェイスに乗せて展開する物語は非常に面白くテンポがいい。勇者たちが、星史の友人関係に加わっていく様は、非常に心温まる。このパートはひかるがかわいすぎる。
遺跡の破壊、そして地球の防衛を自分の使命と強く感じ始める星史の成長も見逃せない。危険をも顧みず仲間を助けようとする。オーボスの手掛かりをつかむために苦手な勉強もする。勇者たちへの指示も的確になってきた。勇者が押される要因の一つは、市街地で全力で戦えなくなったというのもあるのかもしれない。星史は街の損害をとにかく気にするようになり、命令に「街の防衛」が入るようになった。もちろん正しい。緑が浜がGDOに占領されるようになった時も、強く責任を感じ心を痛めていた。ひかるや蛍がさらわれた時にも、ヤンチャーを無視して自分のなすべきことを実行する。・・番組開始から1年がたとうとし、この少年は大きく成長した。この感動はなかなか得られるものではない。多くのアニメのキャラクターが完成しきっているこの昨今だが、ダ・ガーンや勇者シリーズのように、登場人物自身そしてその関係が少しずつ、しかし確実に変化、成長していく作品というのは、本当に素晴らしい。(ファイバードの火鳥兄ちゃんもそうだよな・・)オーリンがなぜ星史を選んだのか・・。その理由は、ここからさらに明らかになっていくだろう。
ブッチョの過去を惻隠し、その罪を許し仲間として迎えることを決めた星史たち。そんな少年たちの優しさとは対をなすGDOを、次回ついに接触。因縁消え去らぬ仲だが、はたしてどうなるのか・・。プラネットエナジー解放点も3つ発見され、敵の戦力も対処が困難なほどに強大になっている。
物語はいよいよファイナルフェイズへ―!
これ最高。
このところシリアス続きだったんで・・・続いてたんで、すごい和みました。
ちょうど本編の放送日程とCD発売日に合わせて、リアルタイム風に聞きました。ですので、このブログのレビューは時系列バッチリ。
とにかく遊びまくり。
高杉夫妻、
ひかる、
蛍、
セブンチェンジャーにヤンチャー、
そしてオーボス一味、
そしてなんと勇者たちまで
本編では決して見れないあれやこれや裏の裏まで聞けるという大ボリューム。
さんざん遊んでも最後のまとめ方は上手でした。星史には知らない顔なんて無い!
犯人?
犯人は・・・子安さんのラジオで言ってたんで知ってるんですが、これはとても分からないですね・・
皆の普段や設定を見ると、本編見る目も大分変わっておもしろそうです。
頑張れ星史!
決戦の時は近い!
第35話 地球(ほし)の声を聞け
第36話 秘められた伝説
「試される隊長の資格 そして成長」
ある日、香坂家と星史のママさんで画策したヤンチャー歓迎パーティー。星史はしぶしぶ参加するが、蛍の助けもありこれが意外にいい成果をもたらすことになる。
ヤンチャーと星史の距離が一気に縮み、その中で星史自身が大きく成長するパート。見ごたえがかなりある。ガンダーラ遺跡での戦闘は困難を極めた。戦闘を続ければ無事では済まない。しかし、退路を得るには遺跡を崩壊させる必要があった。そこで入る通信
「遺跡を壊すな!」
ヤンチャーだった。全パートからひっぱってきた遺跡・歴史・命というものが、今回のキーポイントだ。星史は遺跡の破壊を選んだ。仲間は無事だったし、自分の判断にも誤りはないと思っていた。しかし胸にかかるものがある。
一方で、セブンチェンジャーはヴィオレッツェにスパイであることを気づかれピンチに。それを助けに日本海溝へ向かう中、蛍に教わり、そして自分自身で地球の「命」を感じ取ることになる。約半年前。何も知らずに勇者の力を私利私欲に使い、お遊び半分で地球を守ってきた星史。ヴィオレッツェの登場、プラネットエナジーの存在、仲間の死や多くの裏切りを経験し、悩み、立ち上がるたびに成長してきた星史。その彼がここで、遺跡から始まり人類までに続く生命の歴史、そして祖先の歴史を知り、地球の摂理・生命の循環と連鎖を知ることで、「地球を守る真の意味」を考え、知るための大きなカギを得ることになるのだ。
地球のことなんて考えないというのは、視聴者に背丈を合わせている。その星史が、視聴者とともに成長していく。それを引っ張る上で欠かせない存在が故郷を失ったヤンチャーであり、自然と心を通わせることができる蛍だ。
セブンチェンジャーという頼もしい協力を得ることはできたが、グレートダ・ガーンでも苦戦するほどに敵の戦力は強大になっていく。しかし、星史自身も自分のベクトルを定めつつある今、地球を守ることは出来るのか。
星と運命を共にする者達よ
星と想いを共にせよ
星と願いを共にせよ
黄金の光集いきて
新たな道を照らすであろう